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2026.9.8

iPhoneからRICOH GR IIIxへ。写真を「撮る時間」が少し変わった

サロンについて


これまで写真を撮るときは、ほとんどiPhoneを使っていました。

仕事の合間に見つけた鎌倉の風景や、BASK.の店内、季節の植物。撮りたいと思った瞬間に取り出せて、難しいことを考えなくてもきれいに残せる。撮った写真をその場で確認して、すぐに共有できるのもiPhoneの大きな魅力です。

今でも、日常の記録にはiPhoneをよく使っています。

それでも今年になってから、RICOH GR IIIxを持ち歩くことが増えました。

きっかけは、写真をただ「残す」だけではなく、撮る時間そのものを、もう少し楽しみたいと思うようになったことでした。

GR IIIxは、大きなカメラのように「今日は撮影するぞ」と身構える必要がありません。

でも、iPhoneのように無意識に取り出して、そのままシャッターを切る感覚とも少し違います。

どこから撮るか。
何を画面に入れて、何を入れないか。
光がどこから入っているか。

そんなことを少しだけ考えてからシャッターを切る。

その小さな違いが、写真の撮り方だけでなく、普段見ている景色にも少し変化を与えてくれました。

今回はスペックを細かく比較するのではなく、iPhoneを中心に写真を撮っていた自分が、RICOH GR IIIxを使うようになって感じたことを書いてみたいと思います。

持ち歩けるから、撮るものが増えた

カメラを使い始めて最初に感じたのは、画質の違い以上に「持ち歩けること」の大切さでした。

どれだけ高性能なカメラでも、家に置いたままでは写真は撮れません。

その点、GR IIIxはAPS-Cセンサーを搭載したカメラとしてはとてもコンパクトです。カメラ専用の大きなバッグを用意しなくても、普段の外出にそのまま持っていけます。

鎌倉を歩いていると、季節や時間によって街の表情がかなり変わります。

路地に入る光だったり、古い建物の壁だったり、植物の色だったり。

BASK.の中でも、朝と夕方では窓から入る光が違います。家具や壁、植物の見え方も、その日の天気や時間によって変わります。

以前なら「きれいだな」と思って通り過ぎていたものを、GR IIIxを持っていると一度立ち止まって見るようになりました。

写真を撮るために出かけるというより、普段の生活の中にカメラがあることで、撮りたいものに気づく回数が増えたという感覚に近いです。

これは、GR IIIxを使うようになって感じた大きな変化でした。

40mmという画角が、見る場所を変えてくれる

GR IIIxには、35mm判換算で40mm相当の単焦点レンズが付いています。

ズームはありません。

最初は少し不便に感じることもあります。

もう少し広く撮りたいと思っても、レンズを操作して画角を広げることはできません。反対に、もう少し大きく撮りたいと思ったら、自分が被写体に近づく必要があります。

でも、使っているうちに、その不便さが面白くなってきました。

「もう少し右から撮った方がいいかな」

「少し近づいた方が背景が整理されるかな」

「ここは全部写さない方がきれいかもしれない」

自然と自分が動くようになります。

BASK.の店内を撮るときも、以前なら空間全体をきれいに収めることを考えることが多かったのですが、GR IIIxを使うようになってからは、椅子に落ちる光や植物、家具の一部分、壁の陰影など、空間の中の小さな景色を見ることが増えました。

40mmは広すぎず、狭すぎない画角です。

鎌倉の街並みを撮るときも、目の前にあるものをすべて入れるのではなく、「自分はこの景色のどこを見ていたのか」を選んで残す感覚があります。

ズームできないことは制限でもあります。

でも、その制限があるからこそ、被写体をよく見るようになる。

そこがGR IIIxの面白いところだと思います。

自然なボケが、主役をつくってくれる

iPhoneからGR IIIxに変えて、写真を見たときに違いを感じやすかったのが、背景のボケ方でした。

GR IIIxはAPS-Cサイズのセンサーと単焦点レンズを搭載しているため、被写体との距離や絞りを調整することで、自然なボケをつくることができます。

個人的に気に入っているのは、背景を完全に消してしまうようなボケではありません。

手前のものに視線が集まりながら、後ろに何があるのかもなんとなく分かる。

たとえばBASK.の椅子や植物を撮ったとき、背景に店内の雰囲気を少し残しておくことで、「物」だけではなく、その場所の空気まで写真に残せる気がします。

髪を撮るときも同じです。

すべてを均一にはっきり見せるのではなく、見せたい部分に自然に視線が向かう。

普段、美容師として髪のフォルムや質感、光の当たり方を見ている感覚と、写真を撮る感覚には、意外と共通するところがあるのかもしれません。

「撮って出し」の色を楽しむようになった

GR IIIxを使うようになって、もう一つ楽しくなったのが「色」です。

GR IIIxには複数のイメージコントロールがあり、色調やコントラストなどを自分の好みに合わせて調整できます。

もちろん、撮影後にアプリで編集することもできます。

ただ最近は、後から大きく加工するというより、撮る前に「今日はどんな色で残したいか」を考えることの方が楽しくなってきました。

晴れた日の鎌倉と、曇りの日の鎌倉。

朝のBASK.と、夕方のBASK.。

木や植物、コンクリート、壁に落ちる影。

同じ設定でも、光によって色の見え方は変わります。

思っていたより暗かったり、逆に少し色が強かったりすることもあります。

でも、その失敗も含めて次の撮影につながります。

「次は少し明るくしてみよう」

「この光なら、この色の方が合いそうだ」

そんなことを繰り返しているうちに、自分が好きな写真の色も少しずつ分かってきました。

撮影後に写真を完成させるのではなく、シャッターを切る前から仕上がりを考える。

GR IIIxを使うようになって、写真を撮る工程そのものが少し長くなりました。

でも、その時間が楽しいのだと思います。

iPhoneを使わなくなったわけではない

GR IIIxを気に入っているからといって、iPhoneで写真を撮らなくなったわけではありません。

むしろ、使い分けるようになりました。

仕事中にすぐ記録したいとき。
家族との何気ない瞬間を残したいとき。
撮った写真をすぐ誰かに送りたいとき。

そんな場面では、やはりiPhoneが圧倒的に便利です。

一方で、

「この光をきれいに残したい」

「この場所の雰囲気を写真にしたい」

と思ったときには、GR IIIxを手に取ることが増えました。

iPhoneは、見たものをすぐ残す道具。

GR IIIxは、何を残したいのかを少し考えてから撮る道具。

自分の中では、そんな違いがあります。

どちらが優れているという話ではなく、写真を撮る目的が少し違うのだと思います。

上手に撮れないことも含めて面白い

もちろん、GR IIIxを買ったからといって、急に写真が上手になったわけではありません。

距離を間違えることもありますし、あとから見返して「もう少し右だったな」と思うこともあります。

iPhoneなら何も考えずきれいに残せていた場面で、GR IIIxでは思ったように撮れないこともあります。

でも最近は、それも悪くないと思っています。

少し構図がずれていたり、思っていた色にならなかったり。

その不完全さまで含めて、**「自分がそのとき撮った写真」**として残るからです。

写真を見返したとき、その場所だけでなく、

「この光が気になったんだな」

「ここを撮ろうとして少し動いたな」

という、撮影したときの感覚まで思い出せることがあります。

これは、GR IIIxを使い始めてから気づいた写真の面白さでした。

まとめ|写真を撮るためではなく、日常を見るために持ち歩く

iPhoneからRICOH GR IIIxを使うようになって、一番変わったのは画質ではなかったのかもしれません。

変わったのは、普段の景色を見る時間です。

鎌倉の路地に入る光。
季節によって変わる植物。
BASK.の家具や壁に落ちる影。
仕事の中で目にする髪の質感。

以前からそこにあったものなのに、カメラを持つようになってから、一度立ち止まって見ることが増えました。

GR IIIxは、APS-Cセンサーや40mm相当の単焦点レンズを備えながら、とてもコンパクトです。

だから「写真を撮りに行く日」だけではなく、普通の日にも持ち歩ける。

そして普通の日に持っているからこそ、何気ない景色を写真として残す機会が生まれます。

素早く、確実に記録したいときはiPhone。

光や色、構図を少し考えながら残したいときはGR IIIx。

今はそんなふうに使い分けています。

GR IIIxを持つようになって、写真を撮ること以上に、日常の中で「ちょっといいな」と思うものを見つけることが楽しくなりました。

もしかすると、それが自分にとって、この小さなカメラを持ち歩いている一番の理由なのかもしれません。